[ラフレシアとウツボカズラ」
      熱帯のへんてこな植物たち

県立人と自然の植物館 午後2時〜3時30分

講師 名古屋大学博物館助手 西田佐知子

 本日、ウイークエンドセミナー(1月)でラフレシアとウツボカズラの事について講習会(無料)を受けました。あいにく、みぞれ模様の天気で参加者も30名程度でしたが、園芸高校の生徒と先生や年輩の方、家族連れで貴重な講義を受けました。

 【ラフレシアについて】
 皆さんは、世界最大の花ということはご存じと思いますが、その花についてはあまり知らないと思いますし、まだまだ、わからないことがいっぱいあります。
 大きさは、30センチから1メートル、最大で重さ15キロ、東南アジア(ボルネオ、スマトラ、タイの南部)に分布し、14種類ほど知られています。

 この花が発見されたのは、1818年 東インド会社の総督 スタンフォード・ラッフルズ卿と博物学者アーノルド博士により発見され、発見者の栄誉をたたえ、Rafflesia arnoldiiと1821年に命名されました。

 この花は、ブドウカズラ属のミツバカズラを宿主とする寄生植物で、茎も葉もなく、雌雄異株で、異様な色彩と斑紋をもつ5枚の花弁と、その中央に雌しべや雄しべを持つ柱状体をかこむ水瓶状の構造からなっています。南東向き急斜面に生息し、蕾の成長は遅く約1年かかり、蕾から花が咲くまで約3ヶ月で、開花後3日程で腐り始め、1週間で真っ黒に腐ります。

 一般に開花時期には悪臭(肉の腐った臭い、中にはあまり臭わないのもある)を放ち、この臭いに誘われたハエなどの小昆虫により雄花から雌花に花粉が運ばれ、大きな花にしては1ミリ程の小さな種子を数百万も作りますが、蕾になっても腐ったり、動物に食べられたりして開花した花を見ることはあまりありません。

淡路花博に展示された標本で、今は人と自然の博物館に寄贈されています。

蕾はキャベツの腐ったようなものです。

本物の花で、樹脂で固めています。

花が咲き終わった後です。


 【ウツボカヅラについて】
 
食虫植物で、最近では園芸店でもよく売られています。このツボは花でなく、葉っぱの先端が変形したものです。このツボの中には、pH2〜3の酸性液が入っています。ツボの蓋の部分に密を出す処があり、それにつられて集まってきたアリやハエが、ツボ付近から出るアルカロイドの気体に気絶して中に落ちます。はい上がろうとしても、内壁はワックス状でポロポロはげ落ちて上がれず、縁はトゲトゲがあって外に出られない仕組みになっています。小昆虫を栄養にしているため、ウツボカヅラは痩せた土地にも繁殖しています。このように、小昆虫を捕まえて壁面の細胞より吸収して栄養源にしている反面、不思議なことにこのツボの中及び周りには、ボウフラ、ハエやアブの幼虫、蜘蛛、アリ、オタマジャクシなどがお互いを餌に食物連鎖をして生きています。

 最後に、人間だけが苦労しているのでなく、へんてこな植物たちも生きるためには、いろいろ工夫して、苦労しながら生きているということでした。

 

 

 

 

 

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